Hosei Erasmus Mundus Program Euro Pholosophy

Hosei Erasmus Mundus Program, Euro Pholosophy - Over the two academic years 2008-9 and 2009-10 at Hosei University, classes for the first semester of "Euro Philosophy", an EU Erasmus Mundus Master Program, have taken the form of one-month intensive lecture series. This is the first instance in Japan of administering such a large-scale intensive lecture series within the Erasmus Mundus Master Program.

report

合田正人先生の授業 (2015)

明治大学の合田正人先生による三回の講義が行われました。講義のテーマは「さまよう楕円―デリダ/ドゥルーズの戦争(ポレモス)」です。

授業の一コマ

講義は、合田先生が四国の出身であるということもあり、まず日本列島の話から始まりました。日本は6000以上の島で成り立ち、それぞれの島や沖には住人や漁師がいます。「領土」「領域」について考えた時、その境界とはどこに存在するのか、何をもってここまでは日本、ここからは韓国、中国、ロシアとなっていくのだろう、と話は進みます。

そしてたどり着くのは、講義のテーマでもあるジャック・デリダ(1930-2004)とジル・ドゥルーズ(1925-1995)であり、二人の哲学者の間をさまよう楕円、すなわち、ふたりの意見の境界はどこにあるかという問いでした。実際にドゥールーズとデリダは同時代に活躍した哲学者であり、両者の思想は背反しつつも、共通点を持ちます。合田先生はその点に着目し、早くから二人の対比研究を手がけてこられました。

二人の同時代の哲学者が、まだ考えられたことのないことを、独自の方法で、思索し、それが公海上で島となっていく。それは二人のどちらに属するものなのか。これはまさに海上のその島が、日本であったり、中国や韓国、ロシアのものであったりすることと似ています。ドゥルーズは、ジャン・イポリットに従ってヘーゲルを読み、ヘーゲルのとくに言語理論が言う表現に境界を見ました。デリダは、カントが感性と悟性の共通の根とした想像力と記号に境界を見ました。境界ということ、つまりは境界線をひくということ、このことは、ドゥールズとデリダの二人に共通することだったのです。

授業の最終回で、ヨーロッパ学生の要望に答えて、合田先生はもともとの予定内容を変更し、田辺元(1885-1962)、鶴見俊輔(1922-)、竹内好(1910-1977)ら日本人哲学者の思想のイントロダクションをして下さいました。これまで日本哲学について学んだことがないヨーロッパ学生にとって、この講義は大変に新鮮かつ貴重な機会となりました。

授業風景