Hosei Erasmus Mundus Program Euro Pholosophy

Hosei Erasmus Mundus Program, Euro Pholosophy - Over the two academic years 2008-9 and 2009-10 at Hosei University, classes for the first semester of "Euro Philosophy", an EU Erasmus Mundus Master Program, have taken the form of one-month intensive lecture series. This is the first instance in Japan of administering such a large-scale intensive lecture series within the Erasmus Mundus Master Program.

report

チプリアン・ジェレル講演会(東京大学)(2013)

去る4月22日(月)、15時半より、東京大学本郷キャンパス法文二号館二階教員談話室において、ルーマニア、アレクサンドロル・イオン・クーザ大学のチプリアン・ジェレル先生の講演会が行われました。今回の発表タイトルは、「The Price approach to multi-level selection scenarios and its implications for individual and group selection」でした。(本発表と関連するジェレル先生のご業績の一例として、以下が挙げられます。What Does Multi-level Selection Tell us about the Causal Nature of Natural Selection? [Philosophy Abstracts 7th Annual International Conference on Philosophy 28-31 May 2012, Athens, Greece] )

ベルクソン(1859-1941)における「行為」に関する研究の他に、生物学の哲学にも関心を持っておられるジェレル先生による本発表では、「自然選択」の理論における、「群選択」や「個体選択」の議論を解説しながら、ソーバー(1948-)とウィルソン(1949-)が提唱した「マルチレベル選択 」について検討しました。

生物は、種の保存を目的として行動するという前提に立つ場合、「自然選択」は、個体よりも種や群れの間に働くと考えるのが、「群選択」の捉え方です。そこでは、利他的な行動、つまり、その集団の別の動物や仲間に対して、自分よりも相手を優先する行動をとる個体が多い集団は、存続しやすいと帰結されます。「群選択」の概念は、1950年代に流行しましたが、その後、ドーキンス(1941-)などを中心に批判が生まれ、「自然選択」は、個体に対して働くという見方が強くなりました。その最も有力な議論が、「包括的適応度理論」です。こうして、「群選択」の考え方は後退していきましたが、「自然選択」を家族や個体や遺伝子など様々な階層で働くものとして、つまり、マルチなレベルで働くものとして考える時、「群選択」を復活させることができるのではないかと考えたのが、ソーバーやウィルソンでした。

本発表は、非常に専門的な内容であり、会場には、哲学だけでなく、生物学研究をされている方も参加され、この分野における最新の研究動向を知る貴重な機会となりました。

ジェレル先生と鈴木泉先生(司会)
会場の様子
ジェレル先生