Hosei Erasmus Mundus Program Euro Pholosophy

Hosei Erasmus Mundus Program, Euro Pholosophy - Over the two academic years 2008-9 and 2009-10 at Hosei University, classes for the first semester of "Euro Philosophy", an EU Erasmus Mundus Master Program, have taken the form of one-month intensive lecture series. This is the first instance in Japan of administering such a large-scale intensive lecture series within the Erasmus Mundus Master Program.

report

ロッコ・ロンキ先生の授業 (2013)

イタリア、ラクイラ大学のロッコ・ロンキ先生の6回にわたる授業が開講されました。講義のテーマは、「絶対的内在について」でした。ベルクソンをはじめとする哲学を専門としておられるロンキ先生は、「絶対的内在」の観点から「生成」(devenir)の観念の刷新に取り組んでおられます。近年のご業績の一例として、以下が挙げられます。Filosofia della comunicazione (Bollati Boringhieri, Torino, 2008)、Filosofia teoretica. Un'introduzione (Utet, Torino, 2009)、Bergson. Una sintesi (Marinotti, Milano, 2011)、Come fare. Per una resistenza filosofica (Feltrinelli, Milano, 2012)

今回の授業の概要として、まず、ベルクソン(1859-1941)の『形而上学入門』(1903)と、ハイデガー(1889-1976)の『カントと形而上学の問題』(1929)を主に参照しながら、「形而上学」について解説がなされました。その後、ベルクソンの議論を中心に言及しつつ、「絶対」(absolu) 、「直観」(intuition)などのキーワードを挙げて、ベルクソンによる形而上学批判について、また、ベルクソンが「充足」(plénitude)、「継続性」(continuité)について、どう捉え直していったのかについて説明がありました。講義の後半では、アリストテレスも参照しながら、「生成」(devenir)や「個体性」(individuation)、「行為」(acte)、「生けるもの」(vivant)といった諸問題を取り上げ、「絶対的内在」に関するロンキ先生の解釈が提示されていきました。講義内容と関連した現代フランス哲学では、ドゥルーズ(1925-1995)の『シネマI』(1983)、ミシェル・アンリ(1922-2002)の「自己触発」(auto-affection)などにも話題がおよびました。

「形而上学」という哲学の主要分野を掲げた本講義は、多くの哲学者を取り上げながらも、主張は非常に明快な講義であり、授業最終日の夜に開催された東京大学での講演会とも併せて、ロンキ先生のこれまでの研究成果の一端を垣間見ることができました。

ロッコ・ロンキ先生
質疑に答えるロンキ先生