Hosei Erasmus Mundus Program Euro Pholosophy

Hosei Erasmus Mundus Program, Euro Pholosophy - Over the two academic years 2008-9 and 2009-10 at Hosei University, classes for the first semester of "Euro Philosophy", an EU Erasmus Mundus Master Program, have taken the form of one-month intensive lecture series. This is the first instance in Japan of administering such a large-scale intensive lecture series within the Erasmus Mundus Master Program.

report

授業風景その5 (2012)

明治大学の合田正人先生の3回にわたる講義が開講されました。

今回の講義のタイトルは「ディアスポラ・システム論に向けて」であり、この観点から「日本的なもの」を考え直すために、「沖縄学」、「日本の精神医学」、「吉本隆明の思想」が取り上げられました。

本講義ではまず、合田先生が教鞭をとられていたことでも知られる「琉球」「現:沖縄」について地理的な解説に始まり、写真家の比嘉豊光(1950-)、さらには、沖縄に関するエッセーを遺した芸術家の岡本太郎(1911-1996)などにも触れながら、「沖縄学」の始祖とされる民俗学者の伊波普猷(1876-1947)の生涯と著作が紹介されました。伊波の「沖縄学」が明治期日本に移入されていた西洋人文諸科学を前提としているという観点から、言語学では、上田萬年(1867-1937)、イギリスの日本語学者B.H.チェンバレン(1850-1935) 、少壮文法学は、スイスの言語学者ソシュール(1857-1913)、アメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソン(1917-2003)、人類学では、フランスの神経科学者P.ブローカ(1824-1880)、フランスの人類学者レヴィ=ストロース(1908-2009)などが扱われました。

第二回では、精神医学における「スキゾフレニア」をめぐり、木村敏(1931-)と中井久夫(1934-)が紹介されました。そして、第三回では、今年他界した吉本隆明(1924-2012)の著作『共同幻想論』(1968)について論じられました。(吉本隆明に関する合田先生の著作として、以下が上梓されています。『吉本隆明と柄谷行人』PHP新書、2011年)

本講義は、他国においてだけではなく、日本においても意義深いテーマを立てることにより、エラスムスの学生にとっても、異質な文化領域に触れるような、新鮮かつ貴重な機会となりました。


合田正人先生